満永選手の退団

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オレンジアタッカーズの満永ひとみ選手が退団しました。「体の都合の為」という退団あいさつの記述からすると、あるいはケガからの回復が思わしくないのでしょうか。しかし、最近の日本での一般的な状況からすれば、まだまだトップレベルで活躍することが可能な年齢ですのに、もうプレーする姿を見ることができないのは残念でなりません。昨年度の第11回Vリーグではまったく出場することなく、退団となりました。第4回Vリーグ新人賞で、春のファン投票によるStar&Maxの試合のトップ常連選手の現役最後の年としては、非常に寂しい限りと思います。

個人的に多忙になったためもあって、しばらくパレーボールを見なくなっていた私が久しぶりに見たのが、大懸(現成田)選手が出場していた(確か)世界選手権か何かで、大懸選手ががんばっていることが画面から伝わってきて、また見る気になりました。そして、そのテレビ観戦を再開した最初の試合が、ダイエー戦だったのです。そして、満永ひとみ選手の鮮烈な活躍にすっかり魅了されたのでした。そして、この年が、上記の新人賞を取った年なのです。

その後は、全日本にも入り、多数の試合で活躍し、いわゆる「ミツスマイル」もあり、大人気となったのは多くのパレーボールファンがご承知のとおり。しかし、全日本でケガをしたころ以降は、あまり「ミツスマイル」が見られなくなり、テレビで観戦するのみのファンとしては、どうしたのかと心配をする面が多くなってしまいました。多くの日本のスポーツ選手の著書などで見かけるようなスポーツ関係のマスコミに対する不信があるのかとか、あるいはチームメイトの誰かとうまくいっていないのか、など、テレビ観戦のみではようすがわからず、ヤキモキしながら見ていることしかできませんでした。

全日本では、全日本のシステムそのものがそうだったためかサーブレシーブの中心の一人ともなっていました。このとき、試合の流れの中で、重要なレシーブミスがときどき出ており、いくつかのバレーボールファンサイトで批判されていたことを記憶しています。ただ、ファンの欲目もあるかもしれませんが、レシーブ成功率はそう悪くはないし、そもそも、サーブレシーブの中心の一人としてしまうと、長所を生かせないタイプの選手だったように思います。

全日本でのツーセッター制との関連でプログの別のエントリーに書きましたが、満永選手は一時大型セッターにという期待もありました。これも、全日本に入っていたころにいくつかのファンサイトで見かけた話です。ただ、テレビ観戦のみですのでサンプルは少ないものの、ある程度以上のコンビのトスについて、満永選手が上げて攻撃が成功したところは見たことがありません。つまり、これは実戦の場で証明(バトルプルーフ)されていないことで、個人的には実現性は少ない話と思っていました。 ただ、1試合かなり本格的にセットアップをした試合があったようで、そこである程度できていたのであれば、あとはある程度の量の練習を行えばセッターとしてもかなりのレベルまで活躍出来るポテンシャルは十分に持っていると思います。

春高に出た年は、私が一時バレーボールを見ていなかった時期で、センターでキャプテンだった姿を見損なってしまったことは、返す返すも残念です。ただ、これも入れると、満永選手は公表データで180cmという長身にも関わらず、センター、アタッカー、セッターのすべてのポジションをこなしたわけで、それはやはり優れたアスリートであったからだと思います。全日本時代でも、レシーブが乱れたときのオープントスをよく上げていましたし、ブロックの本数も多く、時間差などコンビでの攻撃も多いということで、上記のすべてのポジションの仕事を実際にこなしていました。ただ、そういう器用な面も持っていたがために、器用である必要があるライトでダイエーでのポジションを取ったことが、結果的にはかえって良くなかったのかと思います。器用にこなすこともできるということと、器用であることを要求されるポジションをこなすことができるということは別のことだと思います。満永選手の場合であれば、長所を伸ばすためには、結果論ではありますが、ある程度思い切ってのびのびとプレーすることができるポジションである必要があったのだと思います。かなり早いうちに全日本に呼ばれてしまい、ライトの選手という印象が強くなってしまったわけですが、ダイエーのベテラン選手が抜けた時点ででも、レフトに移る方が良かったのかもしれません。

あと、かなり器用な面があるということからは、ビーチバレーに転向するのも良いかもしれません。

それにしても、かなり前から、女子バレーボール関連では、ある1年程度国内の試合で大活躍して大いに期待された選手が長続きしないという例が、非常に多いように思います。たとえば、比較的最近で個人的に印象深い選手としてはNECの美田選手がいます。こういった例がかなり多いというのは、バレーボール全体での構造的な問題と思います。そして、個人的に最もファンであった満永選手がその例の一人と言わざるを得ないような状況で退団することになったことは、本当に残念でなりません。第10回Vリーグで落合選手に変わってからチームのリズムが良くなり、第11回Vリーグではベンチ入りからはずれ、引退してしまうのではないかと心配し、これまで出したことがなかった個人あてのファンレターを出してみようかと考えていた矢先でした。

せめて、あと1試合でも良いから、ファンとして納得出来るだけの活躍をする試合を見たかったです。

最初にもリンクした退団あいさつで「またいつかどこかでプレーを始めたら」とあるのを見ると、ファンとしては本気で待ち続けたくなります。本当にいつかどのような形でも良いので、復活してもらいたいと思います。

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このページは、Miscが2005年7月10日 16:07に書いたブログ記事です。

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